はじめに

「グリーン購入法」は、正式には「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」といい、国や地方公共団体など公的機関が環境配慮型の商品やサービスを率先して購入することを義務付けた法律です。

2000年に施行され、2008年に改正されました.

主なポイント

対象主体

国、独立行政法人等の公的機関に調達義務。地方自治体・事業者・国民にも努力義務が課されています

対象者 内容
国、独立行政法人等 環境物品を選択する義務あり(第3条)
地方公共団体及び地方独立行政法人 環境物品を選択するように努力・推進すること(第4条)
事業者及び国民 環境物品をできれば選択すること(第5条)

指定調達品目

紙、文具、オフィス家具、家電、文書印刷等、環境ラベルやLCA・CFPデータに基づく基準を満たした製品が対象です

情報提供と報告

調達実績や環境性能に関する情報提供が求められ、国等は年次報告し、公開義務があります

事業者は何をすべきか?

公的機関への納入を目指す企業は、自社製品が指定品目に該当するか確認し、環境性能の裏付け資料を整えることが重要です。

義務・要件 事業者が取るべき対応
① 環境性能の裏付け 製品のLCA/CFPや環境ラベルを取得し、根拠を整備
② 情報提供 パッケージやウェブ等で環境情報を表示
③ 調達先への対応 自社商品が指定品目なら説明資料やデータ提供が必要

LCAとの関係性

調達判断基準には「ライフサイクル全体を通じた環境負荷低減」とあるため、LCAデータが評価に直結します

具体的には、CFP(カーボンフットプリント)を実施し、製品環境性能をアピールすることが有効です。

また、自治体によっては、入札や補助申請の際にCFP証明を義務化するケースも増えています。

企業にとっての影響・メリット

公共調達への参入機会拡大 LCAや環境ラベル取得によって公共案件に応募しやすくなります。
ブランドや競争力向上 環境対応を打ち出せると、エコ志向の顧客やパートナーにアピールできます。
コスト削減効果 LCAで排出ホットスポットが見える化され、素材や工程改善による効率化が可能になります。

まとめ:グリーン購入法はLCA活用の好機!

公的調達者の購買基準強化により、LCAやCFPが"調達における入場券"となっています。

指定調達品目に該当する企業は、自社製品のLCAデータを整備し、調達先・顧客に対して透明性ある環境情報を提供する体制構築が不可欠です。

参考資料

環境省、グリーン購入法について(グリーン購入法.net)
https://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/

経済産業省、カーボンフットプリントレポート
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_footprint/pdf/20230331_2.pdf

経済産業省、カーボンフットプリントガイドライン
https://www.env.go.jp/content/000124385.pdf